泣き泣きオンナのブログ

社会人2年目休職からたちなおる

【休職33日目】「助けて」と言える大人になりなさい

拝啓、子供たちへ

生まれて私たちは、たくさんのことを教えられてきた。

「ありがとう」と言える人になりなさい。
「ごめんね」を言える人になりなさい。
人に優しくしなさい。

人に迷惑をかけないように、
立派な大人になりなさいと。

人に見られて恥ずかしくないように、
いつも胸を張っていられる自分でありなさい。

親から、周りの人から、先生から、
たくさんの期待を背負って。
君たちには多くの可能性と、明るい未来が待っていると教えられた。


たしかにそうだ。

ここで、私はあえて言いたい。

しかし、そうじゃない可能性もある。

誰も教えてくれなかった、
厳しい社会のこと。
厳しい現実のこと。

周りからの見栄えばかり教えられてきた。
周りに優しくすることばかり教えられてきた。

まるで、人に迷惑をかけない人が立派で、
立派であることが当たり前かのように。

そうでない人へのメッセージはどこにもなかった。

そうでない人が、君たちの中にはいないだろうと思ってのことか、はたまた見放されたか。

だから、私から子供たちへ。
「助けて」と言える大人になりなさい。

君たちには、明るい未来が待っている。
そして、同様に、
想像できないほどの絶望と、不条理と、不幸が待っている。

今はまだ他人事のように感じるはず。
ごく稀に、子供のうちに経験する人もいるが、
経験しない人がほとんどだからだ。
多くの大人がそうなるように努力しているから。

そして突然、そのときがやって来る。
大切な人が死ぬ。
病気になる。
事故に遭う。
信じていた人に裏切られる。
トラブルに巻き込まれる。
権力に潰される。
災害・戦争が起こる。
否定される。
孤独に気づく。
正しい人が間違っている人に負ける。
正義が勝たないことを知る。
自分はなにもできないことを知る。

他人事だったはずの不幸は、
私たちの力ではどうにもならない、
社会・自然の力によって、私たちの人生に等しく、ちゃんと訪れる。

そんな時、
「こんなはずじゃなかった」と
”立派”になれなかった自分に絶望しなくていい。
”明るい未来”を生きられなかった人生を諦めなくていい。

「助けて」と言える大人になりなさい。

これから君たちは大人になって、
たくさんのことができるようになる。

と、思われている。
自分でどうにかしないといけない、と思うようになる。

”立派な大人”なフリをするのが、上手になる。
たくさんの期待に応えられるようになる。

助けを求めなくなった君たちは、
助けを求められなくなる。
助けの求め方も、いつ助けを呼べばいいかも、忘れてしまう。

窮地に助けを呼ぶことができなかった人間は、死ぬ。
事実上の意味で、もしくは社会的に。

死んだ後、周りの人はこう言う。

「言ってくれればよかった」
「周りに助けを求めなかったのか」
「こんなことになる前になんとかできたはず」

誰も教えてくれなかった
” 人に迷惑をかける ”ということ。

" 立派に生きること "より、” 明るい未来を生きること ”より大事なこと。

自分の力でどうにもできないものに出会ったとき、
どうしたらいいかわからなくなったとき、
周りからの期待も、恥もプライドも全部捨てて、
助けを求めなさい。

できる限り大きな声で。

できる限りたくさんの人に。

きっといつかの「ありがとう」と「ごめんね」と
人に優しくしてきたあなたが、
あなたを救ってくれるから。